放浪記

何気ないようで、やっぱり何気ない。そんな日常を綴っていきます。

さまよう

冷や汗をかきながら、梅田阪急ビルタリーズコーヒーでこれを書く。

哲学をひたすらに頭に詰め込んで、仕事の始まりを待ちながら、同居者の誰とも心を通わせない生活に、いよいよ気が狂ってきた模様。

慣れないままに哲学入門を読みながら、箸休めに谷崎潤一郎の中編を読む。

そしてさらに頭の容量が限界になってきたときには、当てどもなく歩く。

たまに文章を書く。

そうしたところで、しかし私の頭は晴れることなく、このむさくるしいカフェの中でじんわりと首筋が湿ってくるのを感じる。


呼吸が浅くなるのを感じる。


きっと私は孤独で、八つ当たりの一つも受け止める相手がいないままに、そしてその状況を打破することもしないままに、2月からの新生活を過ごしてきた。
新しい仕事が始まるのは明後日からで、まだ今日と明日は猶予がある。

むしろこの退屈をどうにかするものは仕事しかない気がする。

しかしどうせ仕事が始まればまた不自由さに冷や汗をかく毎日が始まるのではないだろうか。私に物事を楽しめる才能はない気がする。

ちょっと前まではあったのかもしれないが、今ではその芽もすり潰されてしまったかのように、うまく言葉がでてこない。

 

楽しくないのだ。


それか今の私は、進化の前兆なのかもしれない。

古い殻を破り捨てるのに一生懸命に苦労を重ねているだけなのかもしれない。蛹。

 

とにかく家に帰ってきた。
相変わらず息の詰まる毎日になる。

他のシェアハウスを選んでおけばよかったのかと、少しばかり悔いが生じる。

しかし居住者たちと打ち解けてられないのは紛れもなくこの自分に原因がある。

なんだかんだと理由をつけて、共有ルームに顔を出さないようにしているこの私に、他の人たちがどう声をかけるというのだろう。

無理な話だ。
だから私自身の手で、打破しなければならない状況なのだ。

たとえ頭が狂いそうで仕方なくても、新生活になじめなくても、誰とも話したくない気分に追いやられても、世界は勝手に進んでいる。
理不尽と思う自分が理不尽なのでしょう。

無念。

 

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